神社は、その時代その時代にあった大きな出来事を記憶しておく場所でもあります。
中でも国家を揺るがす、或いは命運を左右する大きな出来事は、必ずと言っていいほど多くの神社に記録されています。
以前ご紹介した日露戦争の石碑もそうですね。
記事を書いた後も次々と色々な神社で見かける事になりました。
神社は日本の歴史を記憶してゆくのです。
そして関西で最近にあった最も大きな出来事と言えば、阪神淡路大震災ですね。
この震災は多くの人の命を奪うと同時に、色々なものを破壊しました。
関西にある多くの神社も被害にあったようです。
そんな爪痕を、やはりしっかりと残していくのも神社なんですね。
これは玉造稲荷神社にある上半分しかない鳥居です。
どうしてこんな鳥居がここにあるのでしょうか。
調べてみると、阪神淡路大震災の時に壊れてしまったとの事です。
それをこうしてこんな形で残す事により、この地で起こった大震災を記憶しているのです。
毎年この神社を訪れる近隣の人は、その度に震災を思い出して、いつかまた来るであろう震災に備える事ができるのです。
堀川戎神社にある福興戎像も、また阪神淡路大震災を記憶する為のものです。
震災で倒れた鳥居の石から作られています。
名前も『ふっこう(福興)』戎像なんですね。
漢字は違いますが、これは二つの意味を兼ね備えるという日本の文化によるものです。
以前ブログでお話しましたが、日本では二つ以上の意味を一つの言葉に持たせる文化があります。
こうして、関西の神社では阪神淡路大震災を忘れないようにしてくれています。
もちろんこのような形ではなく、あの震災に関する石碑がある神社は沢山あります。
未来の為に、忘れてはいけないものがあります。
東日本大震災の津波も、実は先人方がアドバイスを石碑に残してくれていました。
ここまで波が来たと書いてあったのです。
でも今の人々は忘れていました。
もしもあの石碑が多くの神社に残されていたら、祭りのたびに思い出すような何かをしていたら、被害はもう少し減らす事ができたかもしれません。
ただ、とは言っても少し前の私のように、神社の重要性に気が付いていなければ意味はないのかもしれませんけれどね。
だから皆様に伝えたいのです。
神社は歴史上重要な出来事を記憶しています。
時々は足を運んで、少し時の流れを振り返る時間を作ってみてはどうでしょうか。
神社に行けば、忘れてはいけない忘れた何かが見つかるかもしれませんよ。