前々から疑問に思っていた事があります。
どうして主に稲荷神社では、『何々稲荷大明神』という風に言うのでしょうか。
印章としては、神社の名前ではなく、そこに祀られている神様の名前が書かれているという感じです。
これは一体どういう事なのでしょうかね。
調べてみると概ね『仏教の影響』という事が分かりました。
だから仏教色が強く残る稲荷神社で大明神という呼ばれ方が多いのですね。
明神は、仮の姿ではなく明らかな神様という事で明神だとか。
同じ意味の言葉に権現もあります。
仮に現れるという事で同じ意味の言葉ですが、まるで逆な気もします。
元々は大神という言葉で神様を呼んでいました。
『大蔵大臣』‥‥では無くて『天照皇大神』みたいな感じですね。
それが、仏教が日本に入ってきて仏教色が強くなっていく中で変わります。
日本の神様を仏教側目線で語るようになり、仏が仮の姿で現代に現れ明らかになったのが大明神であったり権現で有ったりするわけです。
神仏習合で上手く融合させる中で生まれた言葉というわけですね。
仏も神も同じなら上下関係はありません。
神様の呼び方だけでなく、神社には今も仏教の影響が色々と残っています。
講とか焼納という言葉が残っている神社もあります。
その中の一つが大明神というわけです。
いやいや歴史って面白いですね。
過去の出来事に関して良かったか悪かったかは色々と意見が分かれる所でしょう。
でもその結果こういう事になっているというのは、知っておくべきですよね。
おそらくこれからも、世界の宗教は色々とまじりあっていく事になると思います。
そうならなければ、どれかが無くなってどれか一つが残るという結果になってしまいますから。
どういう結果になるのがいいのかは、日本の歴史、或いは世界の歴史から学べそうです。
そんなわけで、今回は大明神についてでした。