以前からよく取り上げている遥拝石にある丸い穴。
でも遥拝石に限らず、多くの石碑で丸い穴が開いているのが見られます。
これって一体なんなんでしょうね。
今日はもう少し色々調べて考えてみようと思います。
そもそも石に丸い穴をあける文化は、こうやって石碑に丸い穴を開ける以前からありました。
価値のある石に穴を、或いは穴の開いた石を価値ある石としてきたのです。
だから大切な石碑に丸い穴を開けておく事はなんら不思議な事ではありません。
そもそも日本では、丸い太陽の形は日本の最高神天照皇大神の象徴でもあります。
伊勢神宮を拝む為に用意された遥拝所の多くには、丸い穴の開いた遥拝石が置かれています。
神社によっては、穴の向こうに伊勢神宮が見えると説明されている所もあり、『丸い穴=伊勢神宮=天照皇大神』という風になっていると考えられます。
八咫鏡に代表される神鏡が丸い形なのも同じ理由か、或いは丸い穴を開けるのもこの辺りの影響があるかもしれません。
鏡に映る向こうの世界が神の国という考えも有り、穴の向こうは神の国、或いは伊勢神宮に通じるという事でしょう。
とある観光地では、丸い穴から太陽を見ると幸福になれるという石が有ったりします。
私も以前遥拝石の穴から太陽を見て大喜びしていたのでその気持ちが分かります。{笑}
元々価値のある石、或いは大切な石に穴を開けていた所に、丸い穴は神聖だという要素が加わって、後に多くの石に丸い穴があけられるようになったのではないでしょうか。
写真は遥拝石ではなく単なる句碑ですが、丸い穴が開いているだけでその句や俳人を想う気持ちが伝わってきます。
石にある丸い穴の意味は、今では沢山あります。
価値の証、通じる道、天照皇大神、神聖、それらが合わさって大切な想いがそこに込められているのです。
今と違って昔は、石に穴を開けるのも大変だったと思います。
それでも綺麗な丸い穴を開けるのですから、そこに人々の想いが無いわけがありません。
もしもどこかで丸い穴の開いた石を見つけたら、そこにある大切な想いを考えて感じるようにすると良いかもしれませんね。