神社にある御幕の中で、白地に赤と紫のラインが入ってるのを帳(とばり)と言います。
その中でも色々と種類があるようで、例えば朽木柄の入っているものは壁代、神紋が入っている写真のようなのが門帳、或いは戸帳なんかがあります。
門帳や戸帳にはあまり差はなさそうですが、写真のような神紋入りのものを門帳、別の模様が入った長めのものを戸帳と言い分けている人もいるようです。
まあ写真の場合は門に付いた帳ですから、門帳というのがしっくりきますね。
さて今日はこの帳について感じた疑問を調べてみようと思います。
それは帳についているラインについてです。
写真を見て分かる通り、このラインは帳と一体ではありません。
前に掛けられているものですね。
概ね少し帳よりも長めで、赤と紫のラインとなります。
名前は『布筋(のすじ)』と言います。
お葬式などで使う朽木幕では、これが紫一色(紺色に見える)だったりしますが、どうやら概ね色が決められているようです。
どうして赤と紫なのでしょうか。
これは全く意味がないとは思えません。
神社の鈴に付いている綱というか縄というか、アレも多くで白と赤と紫だったりします。
意味があると思うのです。
調べてみました。
全く分かりませんでした。{苦笑}
『現在主に赤と紫が使われている』とか、『そもそもは赤と黒だった』ような記述もどこかで見ましたが、それくらいしか分かりません。
ただそこから少し考えますと、赤は陽を、紫(黒)は夜を表すとシンプルに考える事もできます。
※赤が天照大神、紫が月読命、白が素戔嗚という見方もできそうです。
※素戔嗚は暴れた後改心して心が白くなったと考えれば‥‥
だからお葬式などで使われる朽木幕では、赤が無いんですね。
赤は白との組み合わせで縁起の良い色、黒はその逆となる事から、神社では黒よりも別の色、つまり紫へと変化したのではないでしょうか。
紫には『神聖』という意味もありますし、神社で使うにはもってこいの色だったのでしょう。
もちろん、これは逆の可能性もありますけれどね。
神社で使われることで神聖な色となっていった可能性があります。
拝殿前の大きな御幕にも、紫に近い色が使われている事が多いです。
また何か分かればどこかで書こうと思いますが、意外とハッキリしていない事って多いですね。
それを想像するのも神社を巡る楽しみです。
長い歴史を感じられる日本って、本当に良い国だなって思います。